原油価格の下落が株式市場に与えた影響
2015年、2016年と原油価格が大きく下落しました。米国でシェールガスの技術革新が進み、原油の供給量が増えたためです。
この記事は、原油価格の下落が企業業績(株価)に与えた影響をメモしています。
原油価格が上がった後、再度下がり始めた時に役に立つと思われるからです。原油価格が上昇を続けている状況の場合は、この記事と反対の影響が企業業績に与えられると考えるとよいでしょう。
原油価格の下落がプラスに働いた企業
化学
化学メーカーが作る製品は、原油が材料になっていることが多いです。そのため、原油価格が下がるとコストが下がり、化学メーカーは利益を増やすことができました。
企業例:住友化学(4005)、三井化学(4183)
ゴム・タイヤ関連
ゴム・タイヤも原油が原料になっていますので、原油価格の下落は利益を増加させます。
企業例:ブリヂストン(5108)[adsense]
飲料容器メーカー
ペットボトルは、原油が原料になっていますので、原油価格の下落は飲料容器メーカーに追い風です。
企業例:ホッカンホールディングス(5902)、東洋製罐グループ(5901)
運輸
原油価格が下落するとガソリンの価格が下がりますので、運輸系企業にとって、原油価格の下落はプラスに働きます。
企業例:ゼロ(9028)、東部ネットワーク(9036)
空運
陸運と同じように、原油価格が下がると、燃料代が下がるので、空運企業にとって、原油価格の下落はプラスに働きます。
企業例:ANAホールディングス(9202)、スターフライヤー(9206)
原油価格の下落がマイナスに働いた企業
商社
石油資源開発に投資している商社にとって、原油価格が下落すると事業の採算が取れなくなりますので、業績にマイナスに働きました。
企業例:住友商事(8053)、三井物産(8031)
石油元売り
石油元売り企業も、原油価格が下落すると、利益率の低下や在庫の評価損が発生することから、マイナスの影響を受けます。
企業例:JXホールディングス(5020)、昭和シェル石油(5002)
原油生産企業と取引のある企業
原油価格が下落すると、原油生産企業の投資活動も鈍りますので、原油生産企業と取引のある企業もマイナスの影響を受けます。
企業例:日本海洋掘削(1606)、ナガオカ(6239)