時価総額が上場廃止基準を割り込んでいる銘柄に投資する

このブログは「初心者が株で稼ぐ」ですが、この記事は中級者以上向けです。

上場廃止基準と時価総額

上場企業の時価総額が一定の基準を満たせなくなった場合、上場廃止となります。(参考ページ:上場廃止基準

東証1部・2部銘柄の場合、

時価総額が10億円未満である場合において、9か月以内に10億円以上とならないとき

マザーズの場合、

時価総額が10億円未満(上場後10年間は5億円未満)である場合において、9か月以内に10億円以上(上場後10年間は5億円以上)とならないとき

に上場廃止となります。

この場合の時価総額は、毎営業日の終値の月間の平均値、または最終営業日の終値を基準とします。

時価総額の計算式は、

時価総額=株価×発行済株式数(自己株式を含む)

です。

ジャスダックの場合、時価総額ではなく、流通株式時価総額が基準となります。流通株式とは、10%以上その株式を保有する株主分の株式を除いた株式をいいます。

流通株式時価総額=事業年度の末日における株価(終値)×流通株式数

です。流通株式時価総額が2.5億円未満になると上場廃止の基準に抵触します(猶予期間1年)。

※東証1部、2部、マザーズにも流通株式時価総額の上場廃止基準があります。[adsense]

時価総額が原因で上場廃止にはなかなかならない!?

上記において、時価総額が上場廃止の基準になると書きましたが、私が株式市場を見てきた限りにおいて、時価総額が原因で上場廃止になるケースはあまりありません。

なぜなら、なぜか上場廃止基準に抵触しなくなるまで株価が謎上げするケースが多いからです。

たとえば、東証2部に上場している2338 ファステップスの場合、発行済株式数が3,343,500株なので、

10億÷3,343,500=299.08円

以下になると上場廃止基準に抵触します。2014年5月1日に時価総額要件に抵触した旨の開示がでましたが、その後株価は謎上げし、上場廃止を免れました。

ファステップスチャート

同じく東証2部に上場している 5964 東洋刃物も過去時価総額要件に該当しましたが、株価が上がり、上場廃止を免れました。

東洋刃物チャート

時価総額が上場廃止基準に抵触している銘柄を敢えて買って、謎上げが来ることを待つという手法は、ハイリスクではありますが、そこそこのリターンを見込めるように思います。

低時価総額銘柄の探し方

さて、それでは時価総額が上場廃止基準に抵触している銘柄をどのように探せばいいのでしょうか?

まずは、ヤフーファイナンスで時価総額下位順で銘柄を表示させ、探していく方法が挙げられます。

ヤフーファイナンス 時価総額下位

このページから、時価総額と上場市場を見て、基準に抵触している企業を探します。

もう一つは、日々の適時開示を見ていくという方法です。時価総額基準に抵触すると、「当社株式の時価総額に関するお知らせ」というような開示が出ます。

例:東洋刃物の「当社株式の時価総額に関するお知らせ」

その他の上場廃止基準に該当しているかどうかをチェックすべき

この投資法を試す場合は、その銘柄がその他の上場廃止基準にも抵触しているかどうかを確認すべきです。たとえば債務超過になっていないか?などです。

たとえ時価総額で上場廃止基準を免れても、その他の項目で上場廃止に当てはまってしまうと意味がありません。

また、その銘柄のファンダメンタル(経営状況)をチェックし、なるべく業績のいい銘柄に投資するべきです。その方が、上場廃止を免れる確率が高いからです。

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コメント

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