株式市場全体が暴落している時にどう対応するか?

株式市場は、定期的に市場全体が暴落を起こしています。株式投資のパフォーマンスは、この「暴落」に対してどのように対応するかで大きく変わってきます。

この記事では、市場全体の暴落に対してどのように処すと高パフォーマンスにつながるのか、筆者の所感を書いていきます。

株式市場暴落の原因の質を見極める

まずは、暴落の原因となった事象を分析することが大切です。市場全体の暴落にはさまざまな原因があるかと思います。

  • 経済大国の状況の変化
  • 戦争など軍事的な事象
  • 経済大国の政策の変化
  • 天変地異
  • 疾病が爆発的に流行ること
  • 市場に送られていたシグナルがでたらめだとわかったこと

経済大国の状況の変化には、昨今では英国のEU離脱問題がありました。もう少し遡ると中国が元を切り下げたことから来た中国ショック、ギリシャ財政問題から生じた欧州危機がありました。

戦争など軍事的な事象は、ここ数年、日本の株式市場に大きな影響を及ぼしたものはありませんでしたが、日本が対中・対北朝鮮と軍事衝突を起こすことになれば、相場は暴落してもおかしくありません。日本が直接軍事的な事象に関連していなくても、アメリカやロシアのような大国が軍事衝突を起こせば、日本の株式市場も相当冷え込むはずです。

経済大国の政策の変化では、最近では、アメリカの量的緩和終了(利上げ開始)が株式市場の暴落をもたらしました。

天変地異は、現在日本で最も懸念されていて、かつ過去に株式市場を暴落させたものに地震があります。東日本大震災では地震による被害の他に原子力発電所の問題もからみ、市場が大暴落したのでした。

日本の株式市場が昨今経験しているわけではありませんが、治療薬のない疾病が猛烈に流行するようなことがあれば、市場を大いに冷え込ませるはずです。エボラ出血熱のような疾病が仮に日本に持ち込まれていれば、市場は相当下がったのではないでしょうか?

リーマンショックは昨今の株式市場暴落の中で、もっとも程度がひどく回復まで時間がかかった暴落でした。リーマンショックがなぜそんなにひどい暴落だったかといえば、格付け機関が作成していたサブプライム債への格付けが実はでたらめであり、該当金融商品の評価ができなくなり、市場参加者が疑心暗鬼になり流動性が枯渇したからだと思います。

暴落に直面した場合、その暴落を起こした事象が日本経済のファンダメンタルにどの程度影響を及ぼすのか、冷静に見極める必要があります。市場が悲観的になっていたとしても、その事象が経済のファンダメンタルに及ぼす影響がさほど大きくなければ株式市場は遠くないうちに回復します。ご自身で、その事象が経済のファンダメンタルに及ぼす影響の程度がわからない場合は、信頼できるアナリストや経済ブロガー等の分析を読んで参考にするとよいでしょう。普段から、マクロ経済の分析に詳しい識者を自分の中で確保しておくことが大切になります。

また、暴落を起こした事象が経済政策の変化である場合、為替や利子水準が変化することもあります。この場合、為替や利子水準の変化が企業にもたらす影響を見極めて、株式投資先を変えていかなければなりません。[adsense]

ノーポジにするのはあまりよくない

ここから具体的にどのように暴落相場に対処すべきか書いていきます。

まず、市場は悲観的になっているものの、暴落を起こした事象が日本経済のファンダメンタルに与える影響が大きくない場合は、買い下がっていくべきでしょう。信用買いのポジションを持っている場合は、信用維持率を横目で睨みながら、切っては買ってを繰り返して、リバウンドに備えるべきです。

買いポジションをすべて清算してノーポジにするのは、この場合よくありません。いつ来るかわからないリバウンドの恩恵を受けられないからです。また、いったんノーポジにしてしまうと、さらに市場が下げるのではないか?もっと安く買えるのではないか?という思いから、逆に買い遅れるかと思います。

暴落を起こした事象が日本経済のファンダメンタルに大きな影響を及ぼすと思われる場合、それでいて株式市場はさらに下げが続くと思われる場合は買いポジションを解消してもいいかと思います。

ただ、どんな危機下においてもファンダメンタルに影響を受けない銘柄はあるものです。そういった銘柄が他の銘柄につられて下げていたら買っておくといいかと思います。

たとえば、消費税増税や大震災などで日本国内の消費が低調に陥った場合は、海外売上比率が高く、工場も海外にある企業であれば壊滅的な影響を受けないでしょう。経済危機が有事の円買いをもたらし、為替が円高に振れた場合は、円高がメリットとなる企業はかえって業績がよくなる可能性があります。日本国内の消費が低調になったとしても、医薬品の消費は落ちにくいです。

安易な空売りは控えるべき

株式市場が暴落している状況下で安易な空売りやインバースETFの買いによるヘッジは控えるべきです。

なぜならいつリバウンドがあるかわからないからです。更に下落が続くと確信が持てる時のみ空売りやインバースETFの買いを行うといいでしょう。

下落が続いた状況下では、リバウンドも急角度で起こりがちですので、下手な空売りは痛烈なしっぺ返しをくらいます。

現物ポジションのみの人は何もしなくていいか?

信用ポジションをとっておらず現物買いのみの人には追証が来ません。いずれ相場が回復するのであれば、ほっとおいてもいいように思われます。

しかし、今持っている銘柄が仮に相場のリバウンドが起こった時に20%上がると予測できる場合に、それより高くリバウンドが起こりそうな銘柄がある場合はそちらに乗り換えるべきです。

株式投資においては、現物ポジションのみの人も、今よりよいパフォーマンスを残せそうな銘柄に乗り換える不断の努力を続けるべきです。現物のみだからといって傍観しているのはパフォーマンスを落とすことになると考えたほうがいいでしょう。

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