自社株買いをどのように評価するか、6つのポイント

株主還元の一環として、企業の自社株買いが増えてきています。株主還元には、配当を払うことと自社株買いの2種類があります。

自社株買いのいいところは、

  • 市場から株を買い付ければ株価を引き上げることができる。
  • 自社株とした株については今後配当を払わなくて済む。
  • 買い付けた自社株は、償却するだけでなく提携先に割り当てたりすることもでき、様々な活用法がある。

といったところだと思います。

企業が自社株買いを発表した場合、そのアナウンスに乗って、その企業の株を買うか、買わないかの判断をするためのポイントをこの記事では書いていこうと思います。この記事では、自社株を市場買い付けすることを念頭において書いています。

自社株買いの対象は総発行済株数の何%か?

「自己株式取得に係る事項の決定に関するお知らせ」を開いて、まずは自己株式の取得が最大でどの程度行われるのか確認します。

「取得する株式の総数」の項目に、「自己株式を除く発行済株式総数に対する割合」が書いてあります。この割合が大きいほど、自己株買いのインパクトは大きいことになります。

自社株買いが行われる期間はどれくらいか?

自己株式取得の日程を確認します。この期間が短ければ短いほど、自己株買いのインパクトが株価に大きく出ます。取得する株式の総数を自社株買いが行われる期間で割ると、一日当たりに自己株買いが行われる株数を推測できます。

自社株買いが行われる企業の通常の出来高はどれくらいか?

一日当たりに自己株買いが行われる株数がわかったら、次はその銘柄の通常の出来高を調べます。

ヤフーファイナンスの時系列をクリックすると、過去の出来高を調べることができます。

ヤフーファイナンス、時系列

一日の平均的な出来高と一日当たりに自己株買いが行われる株数の比率を比べると、自己株買いが市場に与える影響を推測できます。

自社株買いの想定単価はいくらか?

「株式の取得価額の総額」を「取得する株式の総数」で割って、自己株買いが行われるであろう想定単価を調べます。

仮に「株式の取得価額の総額」が7億円、「取得する株式の総数」が180万株だとすると、想定単価は7億÷180万=388.88円となります。

現在の株価が想定単価よりも低ければ、自己株買いが行われる可能性が高いと予想できます。

過去の自社株買いはどの程度実行されたか?

企業が自己株買いを行うというIRを出したとしても、実際に自己株買いを行うとは限りません。企業が実際に自己株買いを行うかどうかは、過去の自己株買いの実施状況を確認すると予想しやすいでしょう。

実際に「取得する株式の総数」分、あるいは「取得価額の総額」分、過去に自己株買いをしているのであれば、今回の自己株買いもアナウンス通りに行われる確率が高いといえます。

自社株買いは投資家に予想されていたか?サプライズだったか?

企業が自己株買いを行う、と宣言したとしても、それがすでに投資家に予想されていて、先回りの買いが入っている場合は上値が重くなります。

毎年、同じようなタイミングで定期的に自己株買いを行う企業は、もしかするとその行動が読まれているかもしれません。

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