当たると大きいゲーム株
現在のゲーム開発の主流は、スマホ向けゲームとなっております。スマホ向けゲームで大ヒットすると、企業の時価総額が何倍にもなることがあります。まずは実際の事例を見ていきましょう。
事例1 パズドラを大ヒットさせたガンホー
ガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)は、2011年の売上が96億円、純利益が16億円でした。2012年2月にパズル&ドラゴンズがリリースされ、2012年の売上は258億円、純利益が82億円にまで伸びました。パズドラの人気は衰えることなく、2013年の売上は1,630億円、純利益は547億円にまで発展しています。
株価は2011年の終値が17円、2012年の終値が86円、2013年の終値が757円となっており、2年で44倍になりました。[adsense]
事例2 モンストを大ヒットさせたミクシィ
ミクシィ(2121)はSNSサービスの売上が年々落ちており、逆境から立ち直るためにスマホゲームを作成しました。2013年9月にモンスターストライクがリリースされ、徐々にヒットしていきます。2012年度の売上が126億円、純利益は16億円でした。2013年度の売上は121億円、純利益は赤字でした。2014年にモンスターストライクは大ブレイクし、2014年度の売上は第3四半期の時点で682億円、純利益は191億円と大幅にアップしています。
株価は、2012年終値が387円、2013年終値が1,540円、2014年終値が4,480円となっており、2年で11倍になりました。
なぜ、スマホゲームは莫大な売上になるのか?
なぜスマホゲームの売上が巨大なものになるのでしょうか?スマホゲームアプリ自体は、無料でダウンロートでき遊べるものが大半となっています。
しかし、ゲームをさらに進めていくために必要となる強いキャラやアイテムを取得するためには、ゲーム内でくじ(ガチャといわれています)を引く必要があります。強いキャラクターやアイテムが出る確率はあらかじめ低くしぼられており、それらを出すために何度もガチャを回すユーザーが多くいるのです。課金の対象はガチャだけでなく、ゲームが途中終了してしまったときのコンテニューや、より長時間遊ぶことも対象となっています。
また、スマホアプリメーカーは、自国だけでなく海外でもアプリを遊んでもらえるようにする事例が増えてきています。すぐれたアプリは、外国語にも対応することで世界中で人気になるのです。
株式市場では、多くの投資家が第2のガンホーやミクシィを探している
株価が大きく上がる可能性のあるスマホゲームの動向は、日次ベースで(iOSの場合もっと短い時間単位で)売上の状況を確認することができます。
apple製品をお持ちの方でしたら、App storeからトップセールスを確認することができるはずです。下図はiTunesの画面ですが、赤枠で囲んだ部分がトップセールスだと、ゲーム内課金を含んだ売上のランキングになります。「無料」は、無料アプリのダウンロード数ランキング、「有料」は有料アプリのダウンロード数ランキングとなっています。
android向け携帯などへの売上はgoogle playから確認することができます。
ガンホーやミクシィの株価が大いに上がって以来、投資家はこれらのランキングを確認するようになっています。
上記のランキングは、実際の売上データですが、最近はさらに投資家が先回りするようになっており、ゲーム開発企業がスマホアプリをリリースしたというニュースや、アプリがリリースされる前に事前予約がどれくらい入っているかにも注目が集まっています。予約トップ10というサイトからアプリの事前予約状況を確認することができます。
アプリを実際にヒットさせるのは至難のわざ
現在、ゲームアプリ業界には多くの企業が参入しており、競争は非常に厳しいものになっています。ゲームの質は、年々上がっており、多くの人材とノウハウを持つ老舗メーカーが強い状況です。新興企業が、ゲームを開発し大ヒットさせる確率は非常に低いと思われます。
ゲームの質が上がっていることから、開発費も高騰しており、ゲームの売上が想定よりよくなかった場合、企業は減損を計上することになります。
ゲーム銘柄への投資は慎重に
新興ゲーム企業の株式は、アプリが出るというニュースだけで暴騰することが多くあります。しかし実際に業績がついてくることはめったになく、株価は下がっていきます。
ゲーム銘柄へ投資する際は、実際に業績がついてくるか、PERが割高ではないか、今後も成長できるかなどを検討してから買うといいでしょう。アプリ市場がレッドオーシャン化しているのと同様に、ゲーム銘柄への投資もレッドオーシャン化しているのです。