指数の売買をして稼ぐ

市場全体の動向に賭ける

株式市場には、市場全体の趨勢をはかるための指標がいくつかあります。たとえば、

  • 日本経済新聞社が、東証1部銘柄から日本の代表的な企業225社を選んで、その株価を平均した日経225(日経平均)
  • 東証1部銘柄の時価総額の合計を基準時点(1968年1月4日)の時価総額で割って算出したTOPIX
  • 経営状況や売買代金を条件に東証上場銘柄から400社を選んで算出しているJPX400

などです。[adsense]

株式取引では、個別の銘柄についてだけでなく、市場全体の動向について予想をたてて投資をすることができます。市場全体の上げや下げを予想して稼ぐ場合、先物取引やオプション取引を利用して行うのが一般的ですが、指数のETFを売買することで、簡単に市場全体の動向に投資することができます。ETFとは、株価指数などの特定の指標に連動することを目的に作られた投資信託のことをいいます。証券口座を開設すると、特別な申込みなど無しでETFの売買もできるようになります。

ETFの具体例を挙げていきます。日経225指数が上がると思えば、銘柄コード1321の「日経225連動型上場投資信託」を買い、日経225指数が下がると思うのであれば、銘柄コード1571の「日経平均インバース上場投信」を買うとよいでしょう。インバースという名称がついているETFは、指数が下がると上がる仕組みになっています。

さらに、指数のETFには、実際の指数の2倍の値動きをするように設計されたものもあります。銘柄コード1570の「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は、日経平均の2倍の値動きになります。ETFは、同じ日経225やTOPIXに連動するものでも複数あります。なるべく出来高が多いものを取引することをおすすめいたします

↓日経225のチャート(上)と日経225連動型上場投資信託(下)のチャート

日経平均の日足チャート

225連動型上場投信の日足チャート

225連動型上場投信の日足チャート

日本の株式市場は何に影響を受けて上げ下げするか?

個別の銘柄だけでなく、指数を売買することも可能であることを説明しましたが、では、日本の株式市場は何に影響されて上げ下げするのでしょうか?代表的な要因を順に見ていきましょう。

  1. 米国の株式市場や米国の政策
  2. 米国以外の諸外国の動向
  3. 為替相場
  4. 日本国内の政策の変化や経済動向
  5. 原油などの商品価格
  6. 日本企業の実際の経営成績

まずは、「米国の株式市場や米国の政策」です。今、世界経済は相互に影響を及ぼしあっています。その世界経済の中で、もっとも影響力のあるのが、米国経済です。ですので、米国の株式市場が上げると、日本の株式市場も連れ上げすることが多く、米国の株式市場が下がると、日本の株式市場も一緒に下がることが多いです。その米国株式市場に影響を与えるのが、FRB(連邦準備銀行。米国の中央銀行の役割を果たす)の政策です。ですので、FRBに関するニュースは、市場の動向を予測するためにぜひ見ておくべきです。

オバマ大統領

次は、「米国以外の諸外国の動向」です。世界経済が互いに影響しあっていることから、どこかの国が不調にあえぐと、他の国も影響を受けます。2010年には欧州危機がきっかけとなって、世界の株式市場が下落しました。経済状況だけではなく、戦争や病気も市場に影響を及ぼします。直近では、2014年のウクライナ情勢やエボラ出血熱が市場にネガティブな影響を与えました。

次は、「為替相場」です。現在たくさんの日本企業が、海外と輸出入取引をしたり、海外に子会社を持っています。日本の主力企業は輸出型の企業が多いことや、円安になると、企業の海外売上高が、円換算したときに多くなることから、円安になると日本の株式市場は上がりやすい傾向があります。また、円には、リスク回避先の通貨としての性格もあることから、有事の際には円が買われやすく、リスクオフ→円高という傾向もあります。

次は、「日本国内の政策の変化や経済動向」です。2013年に日銀の総裁が黒田東彦氏になってから、日本株式は大きく上げました。それは、黒田総裁のとった金融政策が株式を含むリスク資産を日銀が購入するといった内容を含んでいたこと、為替相場を円安に動かすものであったことが原因です。

このように中央銀行の政策は、日本の株式市場に大きな影響を与えます。また政府が決定する税金も企業の経営成績に大きな影響を与えます。消費税増税は消費を一時的に冷やしますし、法人税の減税は、税引き後の企業利益を増加させます。他に、近年、日本の市場に大きな影響を及ぼした政策的な事柄としては、原発の停止が上げられます。これにより、日本の電力代金は値上がりし、企業の費用負担を増加させました。

海外と行き来する船

次は「原油などの商品価格」です。原油は、さまざまなものの材料になります。ガソリン、プラスチック、ゴム、化粧品などが原油を原料としています。なので、原油価格の動向は広範な企業に影響を及ぼします。他に小麦の価格が上下すると、食品系企業に大きな影響を与えます。

最後は、「日本企業の実際の経営成績」です。これは当然ですね。株価は、基本的に企業の価値に連動しています。経営成績がよくなれば企業の価値はあがって、株式も買われるようになります。

市場急落の保険としてのインバースETF

株式投資の基本は、“買い”だと別の記事で説明しました。しかし、市場は上げと下げを繰り返しており、上げが過熱すると下げに転じます。このときの市場の下げに対処するために、インバースETFを買っておくことは有効な保険手段です。インバースは、指数が下げたときに上がるETFでした。市場の過熱感を読み取る方法は、騰落レシオに関する記事をお読みください。

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