クォーターごとの業績をチェックして、業績良化企業を見つけよう

業績の良化は、四半期ごとの業績の変化で察知できる

企業の業績がよくなってくると、それにともなって企業の価値も上がり、株式は買われるようになります。

企業の業績がよくなっている兆候はどのように把握すればいいのでしょうか?この記事では、企業業績が良化している可能性のある企業の探し方を説明しようと思います。[adsense]

1、2Qの業績がよい企業は簡単に人気化しやすい

企業が出した1Qや2Qの決算がいいと投資家に注目されやすいです。

1Qや2Qで業績がいいと、業績見通しに対して進捗率がよくなり目立つからです。さらには、業績の上方修正も期待することができます。

業績見通しを保守的(低め)に出してくる企業の場合、実績が見通しに対して高進捗でもサプライズはありませんが、業績見通しを保守的に出す企業でない場合、1Qや2Qで見通しに比べていい決算を出した企業は要チェックとなります。

ただし、企業の業績に季節性があって、1Qや2Qの業績がいいだけの場合もありますのでその場合は注意が必要です。

たとえば、人材紹介等を行っているクイック社の場合、1Q(4~6月)の業績がいいのですが、それは4月に人事異動が多く、人材紹介等の売上があがりやすいためです。なので、季節性を無視して、四半期の業績がよかったからといってその株を買っては駄目で、前年同四半期とくらべてどうだったか?業績見通しの例年の進捗率と比べてどうだったのか?を考慮する必要があります。

また、業績に季節性がない企業でも、たまたまある四半期の業績がよくなる場合があります。スポット案件が入って売上が入ったような場合です。その場合、将来の企業の継続的な成長が見込めるわけではないので、株価はあまり上がりません。

なので、よかった業績がその後も続くのかを注視する必要があります。

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2、業績の良化が継続するかどうかのチェック

良い業績が続くかどうか確認する方法の一つは、受注残高が前四半期と較べて増えているか減っているか確認することです。企業の売上は、受注→売上と変化しますので、まだ売上になっていない受注の残高を見て、今後も売上が十分に継続するのかを推測するのです。

企業の受注残高は、短信や有価証券報告書、月次資料などに載っていることがあります。

昭和真空(6384)の受注残高情報(短信より)

昭和真空受注残高

マルマエ(6264)の月次受注残高(月次情報より)

マルマエの月次受注残高情報

受注残高が減っていなければ、高い売上高は次の四半期も続く可能性が高いといえるでしょう。

しかし、これでは、中期的な将来(1年以上先)についてはどうなるかわかりません。

なので、その企業の中期的な経営成績を知るには、業界の動向やその企業の経営計画、取引先の増減などを調べる必要があります。

企業の今後の見通しについては、短信の「経営成績に関する分析」の中の「次期の見通し」にヒントになることが書かれているかもしれません。

取引先については、有価証券報告書に主要な取引先への売上高が載っていることがありますので、ここで取引先の増減を知ることができることがあります。

3、注目度の低い3Q、4Qの業績にも注目して、企業の経営成績の変化を読み取ろう

1Qや2Qでいい成績を出した企業は注目されやすいですが、3Qや4Qでいい成績を出しても注目されにくいです。

なぜかというと、4Qの決算短信で最も注目されるのは、次期の業績見通しだからです。そして、多くの企業はやや保守的に業績予想を出しますので、3Qや4Qでの業績の変化は見逃されやすい傾向があります。

多くの投資家が注目していないからこそ、丹念に情報を追うと、大きな利益を得られる可能性があります。

日本の損益計算書は、多くの外国と違って、累計で経営成績を出しています。3Qの経営成績を発表する場合、外国だと、3Q単独の成績と、1~3Qの累計の成績の両方を開示しています。しかし、日本だと3Q累計の成績のみを開示しています(決算説明資料を別途作って、四半期ごとの成績を明示している企業もあります)。

なので、四半期ごとの経営成績を把握するためには、このようなサイトを利用する必要があります。

このサイトでは、累計の他に、四半期ごとの経営成績がわかるようになっています。ただし、株式分割や併合があった場合、EPSの数字が分割/併合前と基準が統一されていないので気をつける必要があります。

下図は、iMarketを利用して、薬王堂の四半期ごとの経営成績を表示した図です。

iMarketで見る四半期ごとの経営成績

まとめ

この記事のポイントをまとめると以下のようになります。

  • 四半期ごとの経営成績に注目して、経営が良化している企業を見つけよう
  • 受注残高や中期計画を利用して、良い経営成績が今後も続くのかどうか分析しよう

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