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貸借対照表で企業の財産を調べる②

コイン

企業が、調達した資金で効率的に利益を出せているかを調べる

貸借対照表で企業の財産を調べる①では、貸借対照表の基礎と、企業の安全度をチェックする方法を見たのでした。今回は、企業が株主や銀行から調達した資金で効率的に利益を出せているかをチェックする方法を紹介いたします。[adsense]

2.企業が調達した資金を使って、効率的に利益を出しているかを見る。

損益計算書の記事で、企業の収益性をチェックする指標として営業利益率経常利益率に触れました。営業利益や経常利益が、売上高に対して何%かを見る指標です。これは現在行っているビジネスの利益率を調べる指標です。しかし企業の収益性をチェックする場合、これだけでは十分ではありません。例をあげてみましょう。

Aさんが資本金を10億円出して会社を設立しました。会社は、1,000万円の売上高を上げ、100万円の利益を稼ぎました。最終利益率は10%なので、なかなかの高利益率です。

しかし、出資したAさんからしてみると、10億円の投資でわずか100万円の利益しか稼げていません。元手に対して0.1%の利益率(100万円÷10億円×100)です。これでは、Aさんにとっては、10億円を銀行の定期預金に預けておいた方が高い利益を得ることができたことになってしまいます。

上の例は、会社のビジネスは高利益率でも、株主にとっては満足できない収益水準という事例でした。では、株主にとって、出資した資金に見合った利益を出せているかどうかは、どのように見るのでしょうか?

この場合は、ROEを計算して出資した資金がうまく使われているかを確認します。ROEの計算式は、利益÷自己資本×100 です。この数値は10%以上は欲しいところです。20%を超えるとかなり優良でしょう

企業には、株主以外に、銀行などの金融機関も資金を出しています。株主資本だけでなく、金融機関からの借入金も含めて、それらの資金に見合った利益を出せているかどうかをROAを使って調べることができます。

ROAの計算式は、 利益÷総資産×100 です。みなさんは、(社債を買わない限り)株主として企業に投資するので、ROEのほうを重視するべきでしょう。

借入金が多いとROEは高くなる

企業が利用できる資金は、純資産(株主資本)と負債から調達されています。このとき、負債が多いと、ROEは高くなります。ROEが高いのはいいことですが、あまりに負債が多く、倒産可能性が高そうな企業は投資対象から外しましょう(負債が多すぎるかどうかは自己資本比率でチェックするのでした。)

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