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中国進出→スクラップ化リスクに気をつけろ

中国に進出した企業が数年間売上と利益を順調に計上した後、急にだめになってしまうことがある。

トヨタ自動車のような大きな企業ではそういった事例は見られないが、中小企業で、メーカーであってもそれほどハイテク企業ではない場合にこのような事例が多く見られる。

私が日系企業の中国支社に勤めていた知人に聞いた話では、中国に進出して数年経った後、中国の同業他社が異様に強力になり、太刀打ちできなくなったとのことだった。その日系企業が得意とする分野の商品において、ずっと高機能なのに廉価な商品が販売されるようになったとのことで、すっかりシェアを奪われたと言っていた。

このような事例が中国に進出した企業では多く見られるので、投資家は注意する必要がある。中国に進出し、市場を開拓して売上を伸ばしていたはずが、いつの間にかその分野の中国企業が成長し、元々持っていた売上すら奪われるのだ。

このようなことがなぜ起こるかといえば、中国企業の企業努力が原因なのかもしれないが、単純に技術を盗んでいる可能性の方が高い。研究開発に費用をかけず、情報を盗んでくるので、安く商品を売ることができる。

中国では全ての情報を政府が監視できるような状態になっているので、中国政府が企業の情報を盗み出し、それを中国の国営企業や民営企業に譲り渡すことは容易いはずだ。

中国に進出してスクラップになった企業が、「中国企業に不当に情報を盗まれた!」と声を挙げてくれれば、他の日本企業に注意喚起できるのだが、日本企業は慎み深いのか、臆病なのか、そういった声を挙げていない。

だから、投資家は企業の中国進出をポジティブに見るよりも、警戒した方がよい。ローテクな企業(飲食や小売)なら大きな害もないだろうが、中小企業規模のメーカーなどが進出した場合は要注意である。

もちろん中国に進出しなくても、ヒューミントやハッキングによって日本企業の技術が盗まれる可能性はある。

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