初心者が株で稼ぐ

万年割安株を避けよう

低迷

指標は割安なのにいつまでも上がらない株がある

株式投資の基本は、割安な銘柄を買って、適正な値段まで上がったところで売って利益を得ることです。

割安さの指標は、PER、PBR、配当利回りが一般的です。これらの指標や成長度合いを勘案した際に、決して悪くない企業なのにいつまでも株価が上がらない銘柄があります。こういった銘柄のことを「万年割安株」と呼びます。

自分が買った株が万年割安株だと気づいた場合は、いったん売って様子を見たほうがいいと筆者は考えます。

しかし、何かのきっかけで万年割安株に資金が入りだして、適正な株価まで買われることもあります。過去から現在まで割安に放置されてきた株が、今後適正に評価されるのか、それとも横ばいを続けるのかは予測不可能です。

万年割安株になりやすい銘柄の特徴

万年割安株になりやすい銘柄はどのような特徴を有しているでしょうか?私が気づいた特徴を下記に挙げてみました。

一つ一つ解説していきます。

「IRや開示資料がそっけない」についてですが、不人気株は業績がよくてもそれをきちんとアピールしないため、投資家がついてこないという側面があります。業績がいいのに、なぜよかったのか説明しないとか、今期以降の業績がどうなるのか見通しを示さないなどもよくある悪いIRのあり方です。

仮に業績がよくても、なぜよかったのかわからない場合、その好業績が今後も続くのか判断しがたいですし、次期からの業績見通しがないと今の好業績がたまたまなのか今後も続くのかわかりません。基本的に、次期以降の業績を企業が示せるのは中期経営計画の中でですので、中期経営計画とその見直しは、今後の業績見通しを投資家に与えるという点で非常に重要です。

「上方修正の開示が出るのが遅い」については、まず上期について言えば、上期の業績がよければ通期の業績もよくなるのが普通ですが、上期の業績を上方修正した時に、通期上方修正を出さないというものがあります。これは投資家を戸惑わせます。

通期の業績修正についても、開示するのが決算短信の開示日に近ければ、今期の業績よりも次期の見通しに投資家の重点が移っているので、仮に出しても株価は上がりにくいです。

「不人気業種に属している」は、たとえ好業績を出していてそれが続く見込みでも、業界全体が右肩下がりだと株価は買われにくいというものです。今(2016年5月)だと、建設や不動産販売、自動車部品業界がこれに該当するかと思います。

「千株単位である」は、売買単位が千株単位という意味です。いずれ、すべての銘柄が100株単位に統一されます。筆者の私感では、千株単位の銘柄は上値が重いです。

「増担保や掛け目規制を受けている」と、投資家の信用余力を他の銘柄より多く必要としますので、買われにくくなります。GC注記がついていてこういった規制がされているのは仕方がない面がありますが、中には好業績なのに特定の証券会社から規制を受けている銘柄があります。こういった銘柄は、なかなか上がりません。

筆者が万年割安株だと認定している銘柄

筆者が万年割安株だと思っている銘柄を挙げてみたいと思います。

まずは、ピックルスコーポレーション(2925)です。

下図を見てみると、増収増益が続いていて素晴らしい業績ですが、株価はなかなかPER10倍を超えません。出来高も少ないです。

この原因の一つは、四季報の予想が常に過小気味であることだと思います。

次は、東洋機械金属(6210)です。業績を見ていただければわかるように、ここ数年EPSはずっと70円を超えていますが、株価はずっと700円以下(PER1桁台)です。

IRのそっけなさが株価低迷の原因の一つだと思います。

最後は、澤田ホールディングス(8699)です。モンゴルで銀行業を展開しています。

その特異な業務内容から人気化してもおかしくない銘柄ですが、大株主のタワー投資顧問が、かつて株価が上がった時に乱雑な売り方をしてきたことや、業績予想を非開示にしているせいで不人気のままになっていると思われます。

万年割安状態を脱出した銘柄の例

この記事の最後に、万年割安状態を脱した銘柄を紹介したいと思います。

銘柄名は、平田機工(6258)です。工場の自動化設備などを手がける時流に沿った業務内容で、増収増益を続けていながら、株価はPER5倍程度の水準で低迷していました。

しかし、ウルフ村田氏が取り上げたことや、個人投資家ざわかみ氏のブログの企画(決算ダービー)に登場したことなどから、徐々に知名度を上げ、適正な株価に訂正されました。

こういった株価の上昇を見ると、株式投資の奥深さに打たれてしまいます。

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